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誘 惑
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[第二章・しゅうC] 投稿日:2005/01/08(Sat) 19:28 No.11 
夕方… 恋由姫が夕飯の支度にかかったころに 涙のキッスの着信音。
しゅうからのメール。
「ごめんよ〜 今夜は残業になっちゃっていつもの時間にネットに入れないかも」
「いいよ。待ってるから」 と 恋由姫はレスを返した。

(さて、待ってるとは言ったけど何して待っていようか?)
(連続ドラマも チャットするようになってから見てないし)
(家事はひと通り終わっちゃってる)
(あ、久しぶりに2ショットのサイトでも見てみようかなぁ)

恋由姫はいつものサイトじゃなくもっと違ったところも見てみよう… と検索してみた。

覗けるツーショット。。。。  
( ん? なに・・ これ )
( 覗けるってことは お話ししてるところを覗き見できるの?)
(それとも お話しを覗き見されるのかな?)

どうすれば覗けるのか?
どうすれば覗かれるのか?
サイトのシステムはわからないけど、何やら怪しげなサイトに興味津々の恋由姫だった。

 (覗きの2ショットかぁ〜)
 (暇つぶしにチョッとだけならいいよね)

恋由姫は要領がわからぬままに ルームナンバーをクリックしてみた。
すると 怪しげな背景のログの中に一組の男女の会話が浮かび上がってきた。
 (なに? これって私が覗き見してるってことなの?)
しかも会話の内容は・・・・
 (嫌らしい・・・)
 (でも、こういう世界もあるのね。 新しい発見だわ)
恋由姫はドキドキしながらログを読み続けた。

と、その時。
  しゅうがサインインしました。。。。 とアンダーバーの右側から上がってきた。
 
 (あっ! ビックリ、しゅうだわ)

しゅう > ただいま! 恋由紀、お待たせ〜
恋由姫 >あっ… おかえりなさい
しゅう > どうした? 何か慌ててるみたいだぞ (笑)
恋由姫 > ううん、なんでもないよ〜
しゅう > そっかぁ〜 ?
恋由姫 > うんうん。 チョッとボーっとしてただけ
しゅう > 眠たくなっちゃった? 遅くなっちゃったからね
恋由姫 >少しだけ眠たいかな?
しゅう > そうだよなぁ。 もうこんな時間だ。 俺も疲れたし今夜は寝ようか?
恋由姫 > うん。 そうしようかなぁ
しゅう > それじゃあ また明日だね。 おやすみぃ〜
恋由姫 > うん。また明日ね。おやすみなさい
しゅう > チュッ♪
  (えっ? チュッ・・ だなんて。。。)
しゅうのメッセンジャーは落ちていった。

  ( ふぅ〜 ビックリしちゃったぁ )






[第二章・しゅうD] 投稿日:2005/01/09(Sun) 10:47 No.13 
しゅうとの付き合いが始まって数ヵ月後の夜。
いつものようにメッセンジャーで話していたときのこと。

しゅう > そういえばさぁ、前々から聞こうと思ってたことがあるんだけど
恋由姫 > ん? なに?
しゅう > ずっと気になってたんだけど、結局のところ恋由姫のところもセックスレスなわけ?
恋由姫 > 何言ってんの? 今更 (笑) 普通に夫婦生活のある夫婦だったら毎晩こうやって深夜までPCに向かってないでしょ。
しゅう > そう言われてみれば、 そっか そう言うことね。
恋由姫 > しゅうのところと同じだよ
しゅう > 俺たち一度会ってみない?
恋由姫 > 会うって?
しゅう > 実際に会うって事。 会えない距離じゃないだろ?
恋由姫 > うん。 そうだけど・・・
しゅう > 嫌なのか?
恋由姫 > 嫌なんかじゃないけど、会うって事はセックスするってこと?
しゅう > したい! 恋由姫を抱きたいよ
恋由姫 > ・・・・・・・・・・
    (困った。会いたい気持ちはあるけど、しゅうに抱かれたいって気持ちはあるけど)
(ひとつ返事でOKしちゃったら 軽い女だと思われないだろうか)
しゅう > 返事がないぞー
恋由姫 > だって、急にそんなこと言われたって
しゅう > じゃあ いつどうやって言えばいいんだよ。 俺はずっと恋由姫を抱きたいと思ってたんだ
恋由姫 > うん。 少しだけ考えさせて

恋由姫はPCを落とし、やり残していた家事を済ませてからベッドに行った


[第二章・しゅうE] 投稿日:2005/01/10(Mon) 06:16 No.14 
ベットに入ってはみたものの、恋由姫はなかなか寝付けずに しゅうのことばかりを考えていた。
  (しゅうに会いたい気持ちはある。 しゅうに抱かれたい気持ちもある)
(でも私は しゅうのことが本当に好きなのかな?)        
  (生身の女性の身体に触れることなく 毎夜毎夜自慰するしゅうに同情しているだけかもしれない)  
  (お互い家庭のある身。家庭を壊してまでって気持ちがあるわけじゃないし)
(そうだ、割り切って会えばいいんだ)
(しゅうに会いに行こう。しゅうに抱かれてこよう)

次の夜のメッセンジャーで恋由姫は 「しゅうに会いたい」という気持ちを伝えた。
会いたい気持ちが一致すれば二人は 会える日が待ち遠しくて。
しばらくの間は毎日、会ったときの話しばかりしていた、

   「会った時すぐにお互いがわかるかな?」 (そりゃわかるでしょ、写真見てるし)
   「まずどうしようか? お茶? 食事? 」 (まずは 少しだけ手繋いでお散歩したいなぁ)
   「いきなり ホテルは無いよね?」 (さすがにね、それは無いよね)
   「お風呂って 一緒に入るの?」  (さぁ?笑 )
   「それより 会ってみて気に入らなかったらどうする?」 (それは絶対にない!)
                                              等々。。。。
   

   



[第2章・しゅうF] 投稿日:2005/01/13(Thu) 00:00 No.15 
初デート当日の朝。
 (何着て行こう? しゅうはどんな格好で来るんだろ? 聞いておけばよかったなぁ)

そのとき しゅうからのメール
  「たった今 出発したよ。 あと数時間後には会えるんだね」

 (さぁ、私も急いで仕度して出かけなきゃ )

恋由姫は予定していた電車に乗り、しゅうにメールを打った。
  「電車乗ったよ。 もうすぐ会えるね」

待ち合わせの場所は二人の住んでる場所のほぼ中間地点の街の駅を選んでいた。
予定通りの時間に電車は約束の駅に到着した。。
  (しゅうを探し出すことが出来るだろうか? 携帯で電話してみようか・・・)
一瞬思ったが、絶対に探し出す・・とお互い約束していた

そのときだった。誰かが恋由姫の肩をポンポンッとたたく。
「何処見てんだよ・・」とくすくす笑う。
しゅうだった。
いつか見た写メと同じ顔がそこに居た。

恋由姫 「いやだぁ… 先に見つかっちゃったね」
しゅう 「本当はさぁ 後ろから抱きしめてやろうかと思ったんだけど」
恋由姫 「それでも良かったけど? ^^」
しゅう 「そっかぁ〜  失敗した。 ぎゅ〜ってすれば良かった」
恋由姫 「ふふ・・・」

初対面のご挨拶もろくにしないままにイタリアンのお店で軽くランチを済ませ
しゅうの車が止めてある駐車場まで歩く途中に、恋由姫は人込みのドサクサに紛れてしゅうの腕に手を差し込んでみた。
しゅうの腕は心なしか少しだけ力が入ったように感じた。
まるで高校生同士のデートみたいにドキドキとして、胸の鼓動が聞こえないだろうか? と二人は同じことを考えていた。

駐車場までのほんの数分間が 何倍にも長い時間に感じられ
それは決して居心地の悪い時間ではなかった。
二人はしゅうの車に乗り込み
「さぁ、何処行こうか?」。。。。



[第二章・しゅうG] 投稿日:2005/01/14(Fri) 14:37 No.16 
「何処行こうか?」といわれた恋由姫の頭の中を一瞬のうちにいろんなことが駆け巡った。

 (子供同士のデートじゃあるまいし、最後までいっちゃう覚悟は出来てる)
 (エッチしたいなぁ〜 って言っちゃう? ううん… しゅうの方からそう言われたい)

「ガソリンいっぱい入ってるし何処だって行けるぞー」
しゅうは恋由姫の手を取ってニコッと笑った。

しばらくの間ドライブして、しゅうが交差点でつぶやいた…
「どうする?ここ左に曲がろうか?」
ここを曲がったその先にはラブホの看板が見えた。
 (そんなこと聞かないでよね)
「でも恥ずかしいなぁ」 と、顔を赤らめる恋由姫。

「そうか・・」といってしゅうは交差点を直進した。
(えっ、なによぉ〜 )
恋由姫は「うそうそ・・行こう」っと慌てて口走ってしまった。
しゅうはニヤッと笑い・・「次の交差点でもちゃんといけるんだよぉ」っと言いながら左折した。
「しゅうったら、意地悪!」
「ごめん、ごめん」

しゅうの車はそのままラブホに引き込まれるように入っていった。



[第二章・しゅうH] 投稿日:2005/01/15(Sat) 20:39 No.17 
しゅうと恋由姫は当たり前のように身体を重ねた。
お互い気持ちよかった。

恋由姫のひらひらのショーツもキャミソールもみんなみんなあっという間に剥ぎ取られていった。
しゅうの肩から二の腕にかけてついた筋肉は、かっちりとした体を引き立てていた。
しゅうのセックスは乱暴だった。
乱暴な中にも恋由姫を思いやる優しさも感じられた。
恋由姫は自分の身体が恐ろしいほどに濡れていることに驚きながら、自分が女であることを再確認していた。

二人で過ごした激しくもあり 甘い時間はあっという間に過ぎ
恋由姫の帰りの電車の時間が迫っていた。

恋由姫としゅうは、お互いの身体を確かめ合うように強く抱きしめ合った。
「ダメだよ… しゅう、もう立っていられない」
「可愛いね… 恋由姫」
しゅうに支えられるようにして二人は部屋を出てしゅうの車に乗り込んだ。

駅まで向かう数分間、車の中で二人は何を話すわけでもなく、強く手を繋いでいた。

「今日はどうもありがとう」
「明日からはまた ネットでお話ししようね」
「いつかまた 必ず会おうね」
「バイバイ。。。」

別れ際 軽くキッスを交わして 恋由姫は帰りの電車に乗った。





[第二章・しゅうI] 投稿日:2005/01/16(Sun) 20:07 No.18 
しゅうとのリアルでのデートを終えてから数日後…
いつもよりも少しだけ早い時間に家事が終わった恋由姫は
   
   (さて、どうしようかなぁ)
   (しゅうとのいつもの時間にはまだ早すぎるし)

と、以前に見つけた覗ける2ショットチャットのサイトを開いてみた。
    
   待機者:ばにら    メッセージ:甘えん坊の奥さん、楽しくお話ししませんか?

   (ここで少しだけ 時間つぶしでもしてみようかなぁ)
   (いつものHNじゃ まずいよね。 変えなきゃ)

鈴   > こんばんは… はじめまして〜
ばにら > こんばんは よろしくね
鈴   > はい、こちらこそよろしくお願いします
ばにら > ここは覗かれるチャットだって知ってるのかな?
鈴   > 知ってますよ
ばにら > そっか、ここにはよく来るの?
鈴   > いいえ、前に一度だけ覗き見したことはあるけど、入室したのは今夜が初めて
ばにら > そうなんだぁ、俺は北海道住みの31歳。鈴は?
   (えっ、北海道? それに しゅうと同じ歳だわ)
鈴   > えっと 私も北海道からですよ。
ばにら > へぇ〜 ここで北海道の人と会ったのは初めてだなぁ
鈴   > 何だか 覗かれてるって思うとドキドキしちゃいますね。
ばにら > そう? (笑) 右上の数字が覗いてる人数だよ。だんだんと増えてるだろ?
鈴   > 本当だ、増えていってる。 ますます緊張しちゃうなぁ
ばにら > あはは、 皆ねエッチな会話を期待して覗いているんだよ(笑)
鈴   > うんうん、前に覗き見した時そんな会話だったような?
ばにら > じゃあ 鈴もそのつもりでここに入室して来たんだろ?
鈴   > えぇ… まぁ そうだけど。 でもこういうのって初めてだからどうしていいのか?
ばにら > 大丈夫だよ。俺の言うとおりにすればいいだけさ。
鈴   > はっ、はぃ・・・・
ばにら > 今は どんな格好をしている?
鈴   > どんなって、 お風呂上りなのでパジャマ着てますけど
ばにら > そっか、 あっ そういえば何歳だっけ? 聞いてなかった。
鈴   > 言わなきゃダメなの? ばにらさんよりも年上、38歳
ばにら > 年上かぁ〜 年上大好きっ!
   (しゅうも 最初の時そんなこと言ってなぁ)
ばにら > 彼氏とか居るの?
鈴   > えぇ、まぁいますけど
ばにら > ネットだけの彼氏? それとも・・・・
鈴   > ううん、一度だけ実際に会ってエッチしました
ばにら > いいなぁ、 俺もそんな彼女が欲しい。 俺んちさ、セックスレス夫婦なんだよね〜
   (あれっ この人も? まさか この人、しゅうじゃないよね? )
鈴   > 偶然ですね、私の家もそんな感じですよ
ばにら > ちょっと待って! まさか・・・・
鈴   > え?          
   (マジでしゅうなの? 困った・・・ )
ばにら > あのさ、ここの部屋は覗かれてる。 
鈴   > はぃ。
ばにら  >今から言いたいことは 人には見られたくない。 ここの上に覗かれない2ショットがあるから そっちに新しく部屋を取るよ。 だから鈴もそこに入ってきて
鈴    > はぃ。 わかりました


 

[第二章・しゅうJ] 投稿日:2005/01/17(Mon) 22:23 No.20 
覗かれない2ショット…
   待機者:ばにら   メッセージ: 鈴、ここだよ

鈴   > 来ましたけど
ばにら > うん。 あのさぁ 率直に聞くけど・・・
鈴   > は、はぃ・・・・
   (あぁ、嫌だ。 どうしよう? このまま退室しちゃおうかなぁ)
ばにら > 鈴ってね、いつも同じHN使ってる?
鈴   > ううん、 このHNは今夜が初めて、 そして多分最初で最後かな
ばにら > そっか、実は俺も ばにらって使うのは凄く久しぶりで今後は使わないかも
   (きっと しゅうなのね? 回りくどく言わないでハッキリ言ってよ)
鈴   > そうなんだぁ
ばにら > じゃぁ ハッキリ言うよ。 もしかして恋由姫じゃない?
(やっぱり しゅうだったんだぁ… 最初にあれ?って思ったときに退室すればよかった)
鈴   > うん・・  恋由姫
ばにら > あははっ! 参ったなぁ〜 俺だよ、 しゅう
鈴   > 途中でね、もしかして しゅうかも? って気付いてた
ばにら > まさか ここに恋由姫が来るなんて思わなかったなぁ
鈴   > 私だって、しゅうが居るなんて思ってなかった
ばにら > とりあえず ここは落ちてメッセで話そう
鈴   > うん、 じゃあ出るね

 。。鈴が退室しました。。 
   (困った・・ 今夜はもう話したくない)
(でも 今行かなきゃ しゅうとはこのまま終わってしまうかも?)
(行かなきゃ・・・)

[第二章・しゅうK] 投稿日:2005/01/18(Tue) 20:11 No.21 
メッセンジャーに移って…
雰囲気は 気まずいムードのまま、

しゅう > なんだよぉ〜 いつもあんなところで遊んでるのか?
恋由姫   > ううん、さっき言ったとおりだよ。 1度目は見てただけ。 今夜は初めて入室してみたの
しゅう   > でも その気だったんたろ? エッチな気分 (笑)
恋由姫   > そんなんじゃなくって、ほんの暇つぶしで、イヤって思ったら退室しようって思ってたの
しゅう >ふぅ〜ん
恋由姫 >本当だってばぁ〜  しゅうこそ、いつもあんなところに居るわけ?
しゅう >いや、 恋由姫と会ってからは今夜が初めてだよ。 前は行ってたけどね
恋由姫 >そっか・・・ 
しゅう >あっ、疑ってるなぁ〜  本当だよ
恋由姫 >うん・・・
しゅう >でもさぁ 凄い偶然ってあるもんだな〜
恋由姫 >そうだね ビックリしちゃった。 なんだか疲れたら今夜はもう寝るね
しゅう >わかった〜 それじゃ おやすみ
恋由姫 >おやすみなさい。

後味の悪いまま、恋由姫はメッセンジャーを落とし、続けてPCも落としてベットに入ったが、
寝付けるわけも無く、明日はどうやって しゅうと話そうかを考えていた

[第二章・しゅうL] 投稿日:2005/01/19(Wed) 20:21 No.22 
覗きの2ショット以来 しゅうと恋由姫の間はギクシャクとしていた。
メッセも一応は毎晩繋いではいたが、どちらかから「眠たい」「疲れた」と言って早めにお開きになることが多くなってきた。

もしかしたら そろそろ終わりかな? と、思い始めた頃に…
恋由姫はふと、麻呂が懐かしくなり携帯に手がいった。

   (今更だけど、麻呂さんにメールしてみよう。)
(お友達感覚で「元気?」ってメールくらいしてもいいよね)

  「麻呂さん、こんにちは。 お久しぶりです、お元気ですか?」

ありきたりの文面を並べて、大変な間違えをしているなんて思いもせずに
恋由姫はメールを送信した。

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